ボリビア:7 「日本人移住地で日本人を越える日本人に逢って死にそうになる 」


ウユニ塩湖を越えて、うーん。ウユニ塩湖、凄い情景なのはわかるよ。
保護すべき遺産レベルなのもわかるよ。
でもずーっと単なる塩だし。飽きるよね。実際。
日本食喰いてー。

ってコトで日本人が明治時代に大量にボリビア移住してきた、
日本人移住区サンファンへ。
街へ入るとさっそく日本語の看板が!おおう!
定食屋には肉じゃが定食もある!うわ!マジか!神様ありがとうー!
神様あんまり信じてねーけど!

道を歩いても、定食屋の中も、周囲の人の顔つきはモロ日本人!
あー日本に浸れるー。サイコー!!!
肉じゃがも超うめー!日本サイコー!


定食屋で久々の日本語。すげー嬉しい!!!たまたまいたおばちゃん達の
会話に混じる。
日本から来たんです。旅なんです。最近、この辺ではどんな事がありました?
「昨日とかめっちゃ暑くて。ウチ、ニワトリ7羽死んだし」
「三軒先の佐藤さん家に強盗が入って、ピストルで撃たれて
破傷風で死んだし」
マ、マジか・・・。顔は日本人なのに会話の内容は超ハードだな!
最早SFとしか思えねー!

おののきながら店を出て、次に入った博物館には、ジャングルをリアルに
斧とかで切り開いてる移住当時の写真展示が!
斧?斧でジャングル開拓?機械とか一切無くて!?オール人力で!?
つーか、すげーな!モヤシっ子の私には絶対出来ねー芸当だな!オイ!

ていうか、この人らは本当に同じ日本人なのか!?
全然違う国の人と話してるみたい!
まあ実際ボリビア人なんだけど!


「まだまだコレからも我々は頑張るから・・・」。
何故か街にあった農協で出会ったおじさんが車に乗せてくれて案内をしてくれる。
街郊外に、尋常じゃなく広範囲に広がる田園風景。
コ・・・米も育ててるんすね!

本気開拓に本気農業。
何でソコまで頑張るすか。日本帰ろうとか無いんすか。
無口な農協のおじさんがつぶやく。
「我々には・・・夢があるから。」

夢!?夢すか!?
今のリアル日本だと全然聞けない言葉すよ!!

でもソレをココでは言っちゃうんだな・・・。

おじさんは続ける。
「頑張ったら頑張っただけ手に入るし。
ゼロからやってるから失敗してもまたゼロからやればイイし」

そ、そうすか!すげーすね!
何つーか、マジおののく!つーかむしろ、震えるっつーか!!!


「コレ、おみやげに。せっかく来てくれたから」。
農協で売ってたみかんとうどんを渡される。うわー!マジか!
もう〜何から何まで!超有難うごさいます!!


なんつうか、この人達は日本人を越える日本人って言うか。
より生命の根源に近いっーか。(DNA螺旋を思い出して)
逞しくて人情に厚くて・・・。
こんな日本人もいるんだなー!

しかし、いつか来たい場所がまた増えた。
有難うサンファン・・・。


帰りのバスの中、ふとバックパックを覗くとさっきギフトされたみかんが
じんわりぐしゃーと潰れていて外側までぐっしょり。

やり場のない怒りをかかえて
「チクショウ!サンファン、二度と来ねーよ!」と。
うそぶいてみたり。



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