アヤワスカ10


ブラジル側のアヤワスカは、「普段は隠れている自分の中のずっとずっと奥にいる「自分」とお話を
させてくれるモノで、その上で、様々なモノに感謝をするキモチを思い出させてくれるモノで、
そしてまた、いわゆる「神様」と言われる「光」や「大いなる何か」を、身近に感じさせてくれるモノ。」
だった。

じゃあ、ペルー側のアヤワスカはどういうモノなんだろう?
単純な好奇心でペルーに向かう事にした。



夜21時にボッガドアクレにカヌーはついて、行きにも泊まったホテルフローレスタにチェックイン。
街を散策していたらムダに咳が出た。排気ガスにヤラれたかな?
そう思うと、セウドマピアは植物が全力で光合成する相当クリーンな場所だったんだな。

翌朝6時のバスに乗り、リオブランコに12時30分につく。スグに空港へ向かう。
リオブランコから国境の街クルゼイロドスールはバスでも行ける。
でも私は旅のスケジュールの関係で残り2週間位しか南米にはいられない。
しかもペルーに行ったとしてもどうしてもハズせない用事があるので一度サンパウロまで戻らなきゃいけない。
時間がマジで無い。バスを使ってる時間は無い。お金は余分にかかってしまうけど、飛行機でガンガン進みたい。

ブラジル国境の街クルゼイロドスールからペルー国境の街プカルパまでは小型飛行機で多分2時間位。

ペルー国境の街プカルパからアヤワスカのセッションが受けられると言うタラポトという街までは
またバスなり飛行機なり、何か交通手段があるだろう。

タラポトでのアヤワスカセッションは火曜日と金曜日らしい。
最低2回は受けたい。今日は土曜日。
急げば来週の火曜日のタラポトのセッションには間に合うかも!



リオブランコの空港で今日はクルゼイロドスール行きの便は無いと告げられる。
仕方無く街へ戻り、サントダイミー教徒が良く利用するホテル・ローレイロにチェックイン。

サンタカサでの約束を果たそうと、薬局で消毒用アルコールとガーゼを大量に購入する。
ローレイロのフロントのスタッフに、セウドマピアのサンタカサに届けて欲しい旨を、託す。
快く承諾してもらって、感謝。

ヒマなのでホテルの辺りをブラつく。公園で路上販売の手作りアクセを眺める。
顔中タトゥーだらけのヒッピーに
「虫刺されの跡がヒドイね。マピアにでも行っていたのかい?」なんて言われる。
・・・何でわかるの!?なんて驚いて絶句していると
「僕もサントダイミー教徒なんだ。」首にはサントダイミーのシンボル、二十字クロスのペンダント。
彼の作るアクセサリーは木の実や動物の骨やクリスタルとかの石などの自然全開素材を使う。
ビーズに糸を通したりしてアクセサリーを作るのを少し手伝う。


翌日16時リオブランコ発のクルゼイロドスール行きの小型飛行機に乗る。
隣の席のお爺ちゃんと、飛行機は緊張するよね。なんて微笑む。

飛行機はスグに雲の上に。
しばらくすると、何だか、お爺ちゃんの様子がおかしい。
呼吸が変な乱れ方してる。しかも黒人なのでもともと土色の顔色が更に濃い土色に。
どうして良いかわからないのでとりあえず焦ってお爺ちゃんの手をなでる。なでる。つーより、こする。
こするこするこする。
こすったら熱とか発生してどうにかなるんじゃないか。とか思ったんだけど、もちろん普通にどうにもならない。
死なれたらマジで困るので慌ててスチュワーデスさんを呼ぶ。

脈や熱をはかるスチュワーデスさん。スチュワーデスさんもどうして良いかわからないようで困惑顔。
機内放送でお医者様のお呼び出し。こんな状況で不謹慎だけど、お医者様の呼び出し、初めて聞いた!

スグに立ち上がる身なりの良いヒゲモジャの紳士。
私はお爺ちゃんを横たわらせる為に席を立つ。
スチュワーデスさんは機内電話で着陸先の空港と連絡。
全然関係無い人達が入れ替わり立ち代りマジで心配そうな顔をしてお爺ちゃんを覗きに来る。
祈ってる人までいる。
緊張感溢れる小型飛行機はジャングルをぐんぐん越えて2時間でクルゼイロドスール着。

待ち構えていた空港救急スタッフにスグに運び出されるお爺ちゃん。
どうか無事でありますように。と、私はバックパックを抱えて薄暗い空港へ降り立つ。



ようやく到着したクルゼイロドスールの空港の各航空会社カウンターは全てクローズしていたので、
案内所でペルーに行きたい旨を告げる。

ペルー行きの飛行機はココには無い。とか言われる。
バスなどの陸路でのペルー行きも不可能だ。とか言われる。

・・・は?

いやいやいやいや無いって何だ。どういう事だ?
私はペルーに行きたいんだ。この街はブラジルの中ではペルーに1番近い街じゃん。
じゃあ他の人はどうやってペルーに行くんだ?

小型飛行機をチャーターして行くのだと言う。チャーター料金は1200ドル!

1200ドル!!!!12万円以上!?
そらあムリだ!そら出せないわ!!

大体みんなある程度の人数が揃うのを待ってシェアしてチャーターするらしい。

とりあえずこの街の小型飛行機を管理しているジジの連絡先を教えてもらう。

電話ではらちがあかないだろうと、太っちょ母さんジジの家にタクシーで直接行く。
ジジ曰く、ペルー行きの便はいつになるか分からないとの事。
日程が決まれば宿に連絡するから。と言われる。


・ ・・しまったなぁ。タイムリミットが迫ってるからって焦り過ぎたなぁ。

ブラジル国境の街クルゼイロドスールからペルー国境の街プカルパまではアマゾンを挟むので陸路では
到底行けない。
でも、2日に1便位の割合で飛行機が出てると勝手に想ってた。

実は昨日までいた街リオブランコからサンパウロに戻る、日程変更の効く航空券を持ってたんだ。
その航空券は捨てるつもりなんだ。勿体無いけど。

でもその航空券を使って一旦サンパウロに戻って、そこから飛行機なり、バスなりでペルーの首都リマまで
向かってそれからペルー側のアヤワスカを追いかければ良かった。
そっちの方がルートも日程も、「確実」だった。



大体において旅は「もう終わる」って段階になって、強烈なモノに出くわす。
例えば、1週間位いた退屈な街を出ようと、10時間後のバスのチケットを買った直後に、もの凄く
おもしろくて離れがたい人に出会ったりする。

私は1年も何も目的も無くただブラブラと旅をしていた。
でもようやく「追いかけたい!」と思えるようなこの「アヤワスカ」に出会えたのも、旅の終わりも終わりの段階に
なってだ。

今度はいつ南米に来れるかわからない。もう一生来ないかも知れない。
ひょっとしてアヤワスカはアジアや他の地域にもあるかも知れない。でもわからない。知らない。
だから、今アヤワスカを追いかけておかないと、2度と追いかけれないかも知れない。
そうしたら、ひょっとしてずっとずっと後悔して生きてゆかなきゃいけないかも知れない。
ソレは・・・イヤだな・・・。



とりあえず街の中心部までそのままタクシーで行く。
ジジの指定した宿は満室だった。

重いバックパックを抱えたまま街を彷徨う。5軒位安宿をあたるけど、全て、満室。
歩き疲れてシンドくてツラくて久々にちょっと泣きそうになる。久々に何やってんのかな。自分。なんて思う。
街のハズレにようやく宿を見つける。シャワーも浴びずに着替えもせず、眠る。



ジジから連絡が来ないとどうにも動けない。
ヒマなのでとりあえず街を散策。

人口比率に比べて服屋がムダに多い。
ボッガドアクレと同様、周辺の小さな集落とかに住む人達がこういう街まで出てきた時に買うんだろう。
そして音楽の国ブラジルなのに街中に流れる音楽が微妙にダサい。
ペルーに近いからペルー伝統音楽のフォルクローレと中途半端に混じって変なコトになってる。

教会へ行く。
・・・驚いた。教会自体が、凄く凄く、大きい。
そして、イエス様を抱いたマリア様の凄く凄く大きな絵と、イエス様の生涯を描いた大きな絵が、何枚も何枚も飾られる。
大体において南米はどんな小さい街に行っても教会はある。
でも、人口比率で考えてこの街にこの教会は大き過ぎる。
大事そうに大事そうに一生懸命に布で椅子を拭いている人達がいて、アマゾン周辺に住む人達の信仰の深さ。を、
思い知らされる。

そういえばボランティア先で、アマゾン奥地でエイズ関連のNGOで働いてるトオルさんと知り合った。
何かに足をブツけて、その跡がちょっとクモのカタチに似てたから「クモの呪いだ!」って大騒ぎになったらしい。
その人達は本気で本気で言ってるんだよね。スゲエよな。


しかし・・・いつの間にかマジで訳のわからない街へ来ても平気で1人でウロウロ出来るようになった。
旅の初め頃とかは、とりあえず外国ってだけでビビって、人と一緒じゃ無いと宿から出る事も出来なかった気もする。
成長・・・か?それともただ単に図々しくなっただけか?



クルゼイロドスールも小さな街なので数時間の散策をするとマジで即!ヒマになる。
宿にこもってパンをかじってこのサイトのアヤワスカのテキストを叩く。

何だか最近はヒマさえあればテキストを打っているので、旅をしているのかサイトを作成しているのか、
毎日何をしているのかちょっとわからない。


1日に2回、朝と夜にジジの家に電話する。
その度に「人数が揃ったらこっちから電話するから!」と言われる。
でも電話せずにはいられないんだよ!
マジで時間無いんだから!!

1日経ち、2日経ち、日を追う毎に焦りは増す。

南米にいられるリミットはもう残り少ないんだ。
アヤワスカを追いかけれるリミットはもう残り少ないんだ。

3日目の昼に、「小型飛行機の定員は8人で、現在待機してる人数は3人。」と聞いて、
悩みに悩んで、この街からペルーに飛ぶのを諦めて一旦サンパウロへ帰る為に空港へ向かう。

いつ飛ぶかわからないような飛行機をいつまでも待ってはいられない。
やっぱりリオブランコへ戻り、交通機関の多いサンパウロからペルーに入ろう。



空港のカウンターで1日1便のリオブランコに飛ぶ今日の便は既に満席だと言われる。
明日の便のチケットを今買っておけと言われる。

・・・マジで!?

えええ?マジでもう1日この街に足止め?
いや、一応他の手段として、バスでもリオブランコに戻れるけど、24時間以上の長距離バスでしょ?
ソレに乗るよりも、明日の便の飛行機に乗った方が未だ早くリオブランコに戻れる。

コレ以上この街で足止めくらうのはマジで避けたい。
とにかくもう1日でも半日でも数時間でもイイから早く、次のステップに動きたいんだ!!


どうにか今日の便に乗せてくれ。とりあえずキャンセル待ちのウェイティングリストに名前を載せてくれと
執拗に執拗にねばるも、普通に、申し訳なさそうな顔をされる。


あんまりしつこくしてもどうしようも無さそうなので、とりあえず明日の便のチケットを買う。

カウンターには今日の便に乗る人達が続々とチェックイン。
ロビーのはじっこのソファに座り、いや、でも、最後まで諦めないでおこう。多分、どうにかなる。
大丈夫。絶対に乗れるハズだ。と、自分にムリヤリ言い聞かせる。



飛行機の最終搭乗時間が近づいてきた。

バクバクする心臓を隠しながら、超何気ない顔をして、搭乗ゲートへ向かう。
私の持ってるチケットは、購入日の今日の日付と明日の便の詳細が印刷してあるだけのペラペラの明日のチケット。

超何気ない顔をして搭乗ゲートでチケットを見せる。

スタッフは紙切れをチラリと見ただけで、超普通に、ゲートを通して、くれる。

!!!!!!!!!!!!!!

おいおいおいおいイイのかよ!オヤジ!
ちゃんと仕事しろよ!日付けとか確認しろよ!
でも、通っちゃった!搭乗ゲート通っちゃった!!ヤベエ!!!!!!!!



続いて搭乗ゲートから入った待合室から出て、飛行機に向かう最終ゲートではスチュワーデスによるチケットチェック。

再度何気ない顔をしてゲートの列に並ぶ。

列の前のオヤジが自分のチケットを差し出す。
スチュワーデスがオヤジのチケットのチェックをする。

すると不意に突風がびゅううと吹く!
スチュワーデスが持っていた全てのチケットをバサバサと地面に落とす!

!!!!!!!!!!!!!!

私は、あら。風が吹いちゃって大変。と言う顔をして自分のチケットをスチュワーデスに渡す。
スチュワーデスは落としたチケットを拾いながら私のチケットをチェック。
つーか拾うのに一生懸命で私のチケット受け取っただけで日付とか見てねえ!

おいおいちゃんと見ろよ!スチュワーデス!
でも、通っちゃった!最終ゲート通っちゃった!!マジでヤベエ!!!!!!!!


私はそのまま機内へ向かう。
機内は自由席なので前の方の空いてる席にそのまま座る。
スチュワーデスが乗客人数リストをチェックしているのを遠目に眺める。
長いコト、リストを見ていたし、ちょっと、アレ?って顔、確かにしてた。

でも、そのまま乗客リストをケースにしまい、機内の扉がバタンと、閉める。


飛行機は、短い滑走路を走り、離陸。
そして、ぐんぐん高度を、上げる。私のカラダは斜めに、なる。


ヤッベエ!乗っちゃった!乗れちゃった!
つーかコレ・・・犯罪か?いや、でも、別に、まあ、大丈夫でしょ!
お金は払ってる訳だし!お金払えば何してもイイってコトじゃ無いけど!まあ、飛行機だし!良くわかんないけど!

しかし・・・あんなタイミングで突風が吹くなんて、多分、多分だけど・・・また、アヤワスカが私につきまとってる。
アヤワスカが私にペルーに来い。って、言ってる。
そんな・・・気が、するんだ。

ペルー側のアヤワスカは・・・どんな風なんだろう・・・?



機体はぐん!と一息に雲の上に。
しばらくすると機内では軽食が配られる。
ラテンの国も長いので、スチュワーデスさんに「カワイイお姉さん、コーラをお願いね。」なんて、軽く言える。
始めて飛行機に乗った時には機内食が配られる際にスチュワーデスさんに「肉か魚か。」って聞かれてるのに
英語ってだけで舞い上がって「サンキュー。」とか言ってたのにな。
私の旅経験地も上がってきたよ。



そして・・・そしてまた後日談として・・・同日乗り継ぎのリオブランコの空港の椅子にデジタルカメラを忘れたコトを、
翌日到着のサンパウロで、気づく。

様々なルートから何度も何度もリオブランコの空港に問い合わせをするも、やっぱり、出てこなかった。


ボートの舳先から臨むアマゾンのピンク色の夕暮れ。
狂い舞い踊る黄色の蝶の大群。
そして沢山の沢山の、笑顔。
PCにこまめに保存していたけど、後半の写真は全部、失ってしまった。

カメラに入っていたアマゾンは、そのままアマゾンに帰って行ったんだ。

いくら急いでるからってムリヤリ違う飛行機乗ったりのルール違反すると、
まんまと即ハネ返ってくるよな。私が悪い。仕方無い。全然諦めきれないけど、でも、まあ、諦めるよ。

またデジカメ買うお金は無いので、雑貨屋でフィルムのカメラを15ドルで、買う。





サンパウロに到着してスグに空港会社オフィスへ向かう。
明日の朝の便のブラジルのサンパウロからペルーのリマへ向かうチケットの手続きをする。
このルートはシドニーで購入した世界一周券の変更手数料だけで飛べる。


安宿にチェックインして重いバックパックを降ろし、サンパウロ中心部からバスで1時間の郊外に住む
ボランティアでお世話になった家のお母さんリンダーバに会いに行く。

二度と会えないかな。と想っていたのでもう一度会えるのは、本当に本当に、嬉しい。

「オーウ!ユーコ!!」
なんて相変わらずムダに大きな声で歓迎されて、凄く凄く、嬉しい。

そしてこの家は相変わらず常に何人もお客さんがいたりしてムダに元気で騒がしい。
一緒に働いていたボランティアスタッフのトワコちゃんもいて、もう一度会えたのが、本当に本当に、嬉しい。
沢山の、ハグ。

リンダーバの作る美味しいゴハンをご馳走になる。
お皿に肉がのっていてマジでビックリする。
食料事情の悪いセウドマピアのファッチマの家では、毎日ゴハンと豆を煮たフェイジョンのみだったから。

超ガツガツ食べる。
相変わらず良く食べるわね。なんて言われてまた、笑う。


リンダーバの家を出て、ボランティアスタッフが共同生活する家に、もう1人の日本人ボランティアスタッフの
マサさんに会いに行く。
丁度マサさんは1人でトイレ掃除をしていた。
共同生活の家なのに、マサさんばっかりがいつもこの家を掃除してる。相変わらず良く働く人だ。


同じ敷地内に、ボランティアの「モンチアズール」の創始者ドイツ人のウテさんが住んでる家があるので挨拶。
たまたま遊びに来ていたNGOの仕事をしているトオルさんもいたので、アマゾン奥地のセウドマピアという村に
滞在してアヤワスカを飲みました!なんて意気揚々と旅の報告をすると、ウテさんは少し顔を、しかめる。

「・・・サントダイミー教ね?
3年前にココでボランティアしてたドイツ人がサントダイミー教に入って、精神崩壊して、今も病院に入っているのよ・・・?」

!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

マママママジすか!!!!!!

「アヤワスカは・・・ドラッグよ?ドラッグは良くないって言ったでしょ?」

アアアアアヤワスカはドラッグじゃ無いです!!!!

「何でそう想うの?」

だって・・・アヤワスカはケミカルじゃ無いし!植物から出来てるし!

「植物から出来てるからドラッグじゃない。なんて言ったら阿片やコカインだって植物から出来ているけどドラッグよ?」

で、ででででも神様に会いました!

「アヤワスカを飲んだ位じゃ、そんな簡単な事位じゃ、神様には会えないハズよ?」

でも会ったんです!そしてどこか空の上にいるその神様に光をもらいました!エネルギーをもらいました!

「神様は遠くにいる訳じゃ無いわ。神様は、自分の中にいるのよ?」

でも確かに私は神様に会いました!確かに光に包まれました!アヤワスカを飲んだからそうなりました!

「・・・ひょっとして、植物としてのアヤワスカの精霊に会ったかも知れないわね。
でも、ソレは1番尊い1番神聖な神様じゃ無いわ。」

・・・例えソレが神様と言われる何かじゃ無かったたとしても、植物の精霊でも、そういう何かに会えたならソレで
十分じゃないですか!ソレに、アヤワスカに凄く大事な事を沢山沢山教わりました。凄く凄く沢山の事を教わったんです!

トオルさんが言う。
「ソレはワープ。だ。
例えばエベレストに登るとする。普通は時間と労力をかけて登る。登っている間に植物や風景を見る。
山はどういうモノか知る。一緒に登る人達とコミュニケーションをとる。イロイロ考えたりする。
頂上に辿り着いた時には大きな達成感を得る。
でもヘリコプターで一気に頂上まで行く事も出来る。でもその場合には自力で登った時に得られるそういうモノを何ヒトツ
得られない。ワープと一緒だ。
普通は精神の高みにまでは日々の積み重ねで頑張って頑張って、昇る。でもアヤワスカで一気に精神の高みに昇ったとする。
ソレはエベレストにヘリコプターで登ったのと一緒だ。ワープだ。
だから本当の意味で学んだ訳じゃない。精神の高みに昇った訳じゃない。」

・・・言ってる意味は・・・わかります・・・。はい・・・。

またウテさんが言う。
「アマゾンの植物から出来るアヤワスカは、そのアマゾンに住む人達のモノよ。外国人のモノじゃ無いわ。
ソコに住む人達が飲むのと、外国人が飲むのとでは意味合いが全然違うってくるわ。
ソレに、ソコに住む人達にとっても、アヤワスカは凄く凄くスペシャルなモノ。日常的なモノじゃない。
修行を積んだ人達がようやくようやく飲むモノよ。アナタが突然行って突然飲むようなモノじゃ無いわ。」

・・・。

「とにかく、アヤワスカはドラッグよ。アマゾンの人達にとってはそうじゃないかもだけど・・・。
ドラッグは・・・もう止めなさい。」

・・・はい・・・ありがとうございました・・・。
あの・・・ボランティア・・・凄く凄く良い経験をさせて頂きました。
本当に・・・凄く凄く沢山の沢山の事を学びました。凄く凄く、楽しかったです。
本当に本当に・・・ありがとうございました・・・。

「お手伝いしてくれて本当にありがとう。また日本に行った時に、会いましょうね。」

なんて、ギュー。って、ハグ。
ありがとうございました。本当に本当に、また、いつか。


私は・・・夢中になると周りが見えなくなるタチなので・・・アヤワスカは素晴らしい!
アヤワスカは全ての答えを教えてくれる!アヤワスカは神だ!と、アヤワスカを絶対視しかかってたから・・・
2人にソレを打ちのめされたのは、良かった。ちょっと冷静になれた。
でも・・・完全に、チカラは・・・抜けてしまった。




安宿に戻り、ドミトリーと呼ばれる1部屋にいくつも2段ベッドのある相部屋で、硬いベッドに大きなため息と共に
疲れた体を横たえる。

アヤワスカは・・・単なるドラッグなの?
私が見た光は・・・全部偽者なの?
あんなに素晴らしい学びなのに、あんなに素晴らしい体験なのに・・・全部・・・嘘なの?

わからないわからない。
何が正しくて何が正しく無いのか全然わからない。

アヤワスカって何だ。
アヤワスカって何なんだ。
何の為にあるんだ。


寝付けなくて何度も何度も寝返りを打つ。

窓の外では車の攻撃的なクラクションの大きな大きな音が闇を裂いて、響く響く。



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